今回は少しかたい話をします。
大学の技術シーズを社会に還元するためには、企業との連携(産学連携)を進めることが必要になりますが、その際、大学が持っている知的財産権の企業への実施権の許諾などの契約が不可欠です。
大規模な大学や企業では、これらの契約の事例も多く雛形もあるので、状況に応じた適切な雛形をもとに、個別の案件毎にアレンジしていけば問題ないのですが、そうでない大学では一から契約書をつくってまとめていくのは大変です。
そこで、役に立つのが「さくらツール」※です。これは、文部科学省から提供されている、契約の類型であり、個別型とコンソーシアム型について、解説書付きでモデル契約書が公開されています。
このモデル契約書そのものを利用してもよいし、既に契約書類の雛形を整備している大規模な大学や企業では、そのものは使用しなくても、契約の考え方を参考にするなどの使い方もあります。
私は、今まで企業と大学で仕事をするなかで、さまざまな相手との契約に関係してきましたが、その経験から感じるのは、ある程度の共通する考えはありますが、企業や大学によってこだわるところは違うということです。民法の基本原則に、「契約自由の原則」というものがあり、契約は、公の秩序や強行法規に反しない限り自由に締結できます。そのため、契約においては、当事者同士が協議しますが、組織によって、どんなところにチャンスとリスクがあると考えるかはかなり異なるので、その調整が必要になるわけです。結構、時間がかかりますが、これこそ契約の面白さでもあると思っています。
今後、契約関連の話題についても取り上げていく予定です。
※文部科学省HP > 科学技術・学術 > 産学官連携、地域科学技術振興 > 大学等における産学官連携 >オープン&クローズ戦略時代の共同研究における成果取扱いの在り方に関する調査~さくらツールの提供~http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1403194.htm
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