今回はライフサイエンス系の研究に必須の遺伝子の増幅の話です。
ライフサイエンス系の研究室にいくと、たいてい、PCR装置が設置されています。これは、遺伝子の本体をなす、DNAやRNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase chain reaction)により複製して増幅する装置です。
数十センチ四方とコンパクト、かつ、数百万円程の装置であり、DNAやRNAの検出に必要なため、広く普及しています。
増幅する方法は、簡単にいうと、増幅の対象となるDNAなど、DNAの特定の部位と結合するプライマー、DNA合成酵素、DNA合成の素材(基質)などの混合液をつくり、その液の温度を上げ下げを繰り返すだけです。
この温度の上げ下げを全自動で行う装置がPCR装置です。
この方法を着想した、キャリー・マリスは、1993年にノーベル化学賞を受賞しています。もうずいぶん前の話ですね。
PCR法は、研究現場で使われるだけでなく、親子関係の認定や裁判におけるDNA鑑定、遺伝病の診断などでも広く利用されています。
また、原理自体は同じですが、DNAなどを定量できる、リアルタイムPCRやデジタルPCRなど進歩しており、今後、ますますの発展が期待されます。
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