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らいふのもり

化学物質の毒性の予測

スパコンとライフサイエンス」で、生物も含めあらゆる物質のふるまいは、原理的には、量子力学、量子化学等の計算科学で予測できる、という話をしました。

しかし、化学物質(医薬品、化粧品等含む)の毒性は、物質の生体との相互作用、生体内での代謝等、大変複雑なプロセスの結果として発現するので、これらの手法を用いて予測することは難しいと言えます。
そこで、毒性の予測 については、多くの毒性データを利用する帰納法的な定量的構造活性相関(QSAR)や、構造が類似している物質の毒性から類推する演繹的なカテゴリーアプローチ等の毒性予測(in silico) システムが開発されてきました。

経済協力開発機構(OECD)のホームページから無料で公開されているQSAR Toolbox※は、カテゴリーアプローチによる評価を支援するためのシステムです。利用には、かなり専門的な知識が必要ですが、化学、生物の専門家であればトレーニングすれば活用して、化学物質の毒性の予測をすることが可能です。
※「QSAR Toolbox」 http://www.oecd.org/chemicalsafety/risk-assessment/oecd-qsar-toolbox.htm

また、化学物質の専門家、開発者は、化学構造を電子の雲で考えるため、物質の、どの部分がどういう反応をするか、酸化されやすいか、還元されやすいかなど、構造を見るだけで分かるものです。
あまり多くはいませんが、化学の専門家であり、かつ、毒性の専門家は、化学構造から物性が分かり、毒性発現メカニズムの知識と合わせれば、その構造から毒性がかなりの確度で予測できます。

今後、化学と生物の両方の専門性をもつ人材の活躍の場が広がると考えています。

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