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らいふのもり

健康食品の客観的な情報源

食品における基準について」で、厚生労働省や国際的に定められている食品等の基準について取り上げました。これ以外にも、健康食品に関して何回か取り上げてきましたが、今回は、健康食品の成分等の評価のための客観的な情報について話をします。

保健機能食品

健康食品と保健機能食品」で話をしたように、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」というものがあり、保険機能食品は、「特定保健用食品(トクホ)」(個別許可制)、「栄養機能食品」(自己認証性)、「機能性表示食品」(届出制)の3種類からなります
消費者庁のHPには、これらに関する届出者から提出された科学的根拠資料等の情報が公開されています※1
このなかで、特に「機能性表示食品」の届出情報については、消費者庁のHPのデータベース※2 で簡単に検索や確認ができ便利です。検索は様々な観点でできますが、例えば「機能性関与成分を含む原材料名」の欄に”アスタキサンチン”と入力すると18件ヒットして、多くの会社から販売されている健康食品等の詳細な情報を得ることができます。特に、「様式Ⅰ:届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)」は、安全性や機能性等に関する基本情報が掲載されており参考になります。
また、公的機関のものではありませんが、「機能性表示食品データベース」という、機能性表示食品に関する消費者庁の公開情報を分かりやすくまとめたサイト※3があります。このサイトには、”機能性表示食品検索”  ”機能性関与成分一覧"  "特定保健用食品検索" 等のページがあり、検索ができるので便利です。例えば、"特定保健用食品検索" の成分の欄で”乳果オリゴ糖” を選ぶと25件ヒットして、「会社名」「許可を受けた表示内容」等を確認できます。

※1:消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 食品表示企画 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/
※2:消費者庁ホーム > ・・ > 食品表示企画 > 機能性表示食品に関する情報 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/#notification_information
※3:機能性表示食品データベース(運営元:プラスエイド) https://db.plusaid.jp/

食品の機能性評価モデル事業

「食品の機能性評価モデル事業」とは、消費者庁の委託事業として、健康食品の機能性について国内外の学術論文や研究機関のデータなどを調査(主に以下の3つの事項)したものであり※4、健康食品の客観的な評価の一つとして参考になります。

1.諸外国等における健康強調表示制度の実態調査
2.食品成分の機能性評価に係る評価基準等の検討
3.食品成分の機能性評価に係る課題等の整理

特に、「食品成分の機能性評価に係る評価基準等の検討」で、「諸外国等において機能性が公的に評価されている成分、または健康食品市場において市場規模が大きい成分のうち、一定のエビデンスを有することが見込まれるものから以下の11成分が選定」され、論文の概要がまとめられており有用です。例えば、下記のn-3系脂肪酸とは、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などであり、健康食品として多くの会社から販売されているので、ご存知の方が多いと思います。

[11 成分]
セレン、n-3系脂肪酸、ルテイン、コエンザイム Q10、ヒアルロン酸、ブルーベリー(ビルベリー)エキス、グルコサミン、分枝鎖アミノ酸(BCAA)、イチョウ葉エキス、ノコギリヤシ、ラクトフェリン

※4:消費者庁ホーム > ・・ > 食品の機能性評価モデル事業について(2012/4 結果報告)  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/functionality_evaluation/

その他の情報源

健康食品の検索サイト」や「お役立ち検索サイト」で、「医薬基盤・健康・栄養研究所」や「東京都薬剤師会」のHP※5 に掲載されているデータベースを紹介しています。健康食品に含まれる成分で検索して、その有効性や安全性等を調べることができるので便利です。
これら以外に、検索はできませんが、「日本健康・栄養食品協会」のHP※6 には、健康食品に関する様々な情報が掲載されており、また、新着情報で最新情報も入手できるので有用です。

※5:(1)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「 健康食品 」の安全性・有効性情報>素材情報データベース
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html(健康食品に含まれる素材の有効性や安全性に関する情報が収載)
(2)健康食品データベース  http://www.kenshoku-toyaku.jp/index.php (公益社団法人東京都薬剤師会(東京都委託事業)が運営。健康食品の商品名、会社名、成分・原材料で検索できる。)
※6:公益財団法人 日本健康・栄養食品協会HP  http://www.jhnfa.org/index.html

おわりに

多くの健康食品が販売されていますが、今回、紹介した消費者庁のHPやデータベース等を活用することで、客観的な情報を入手することができます。今後、個々の商品についても取り上げていきたいと考えています。

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