がんの主な治療法は「手術」「化学療法(抗がん剤)」「放射線治療」の3つですが、多くの新しい治療法が開発されており、今年(2018年)のノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授らの業績の、免疫チェックポイント阻害剤などが加わるかもしれません。
これらに加えて、注目されているが、今回、紹介する「光免疫療法」です。
仕組みは、
①がん細胞の表面にあるタンパク質に対する「抗体」と近赤外線を吸収する「色素」を結合させた薬を準備
②この薬を、注射等で体内にいれる
③抗体が色素をがん細胞まで届ける
④外から近赤外光をあてる
⑤色素が光のエネルギーを吸収し熱を放出する
⑥この熱によりがん細胞が死滅する
です。
つまり、抗体自身はがん細胞を殺す武器としては使わない点が、抗体医薬とは異なります。抗体医薬と異なり、近赤外光により、がん細胞を死滅させるので、投与量が少なくてすみ、副作用が少ない点もメリットとのことです。
オバマ前大統領が、2012年の一般教書演説で「がん細胞だけを殺す新しい治療法が実現しそうだ」と語ったことはよく知られていますが、米国に加え日本の国立がん研究センター東病院でも治験が始まっており、光免疫療法に大きな期待がよせられています。
この研究を主導しているのは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の日本の研究者である小林久隆主任研究員であり、ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授とともに、がん治療の分野でも日本人が活躍していることは、とても喜ばしいことです。
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