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らいふのもり

化学物質や医薬品の用量反応関係

実験室で使われる化学物質」で、生物や化学の実験室で使われるいくつかの化学物質を取り上げ、その中で、16世紀のスイスの医師、錬金術師等であり、毒性学の父と呼ばれる 「パラケルスス」(Paracelsus)の言葉「すべての物質は毒である。毒でないものなど存在しない。摂取量によって毒であるか、そうでないかが決まる」を紹介しました。

これをグラフで分かり易く説明すると、容量反応曲線になると思っています。
用量反応曲線が示している用量反応関係とは、生物などに化学物質などの作用を及ぼすものを投与したときに、その化学物質の用量(又は濃度など)と生物の反応(毒性や薬の効果など)との間の関係をいいます。

下記のグラフでは、横軸(対数表示にすることも多い)に化学物質の用量、縦軸に生物などの反応を示しています。
薬を例にとり、曲線Aを薬の効果、曲線Bを毒性とすると、①の点線の用量では、毒性は現れず薬の効果が得られます。しかし、②の点線まで用量を増やすと、薬の効果は大きくなりますが、毒性もでてしまいます。

健康食品と健康」で「健康食品を適度に摂ることの大切さ」、「大相撲と塩」で「塩の安全性」について話をしましたが、薬のかわりに「健康食品」や「塩」の場合でも、同様のことが言えると思います。

医薬品や化学物質の用量反応曲線は、これらの安全性を考える上で大変役にたちます。抗がん剤について、その効果が論争になっていますが、用量反応曲線をもとにすれば、議論もかみ合うのではないかと思っています。

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