「ライフサイエンス法令」で、ライフサイエンス関連法令は、法目的が「安全」に加え「倫理」にかかわるものが多いこと、「ライフサイエンス法令の対象物の大きさの比較」で、その対象が「DNA」から「動物」まで多様であり、とても領域が広いため、管理が難しいという話をしました。
私は、2016年に、京都大学で大学全体のライフサイエンス研究のコンプライアンス強化を目的にした活動を、新たに立上げました。参考にする前例があまりないなかゼロから作り上げたので、はじめての取り組みも多かったのではないかと思っています。以下に、簡単に紹介します。(これらの活動については、海外の雑誌※1 でも紹介しています)
1.教育
ライフサイエンス法令全般を対象に、基礎研修(e-Learning)、講義形式の中級研修、特定の分野を対象とした上級研修の体系的なプログラムを構築し実施しました。
2.啓発
◇ライフサイエンス法令セミナー
大学、行政、研究機関から専門家を招き、研究/生命倫理、動物倫理、バイオセーフティ、海外遺伝資源の取扱い など幅広いテーマでセミナーを企画・実施しました。
◇ライフサイエンス法令クイズ
ライフサイエンス法令に親しんでもらうため、WEBクイズを作成し公開しました。
3.法令チェックシステム
京都大学研究者向けに、ライフサイエンス分野の対象物、対象行為毎のチェックシステム(大学の担当窓口、規程、手続きに加え、関連法令等を記載)を公開しました。
なお、本ブログの「お役立ち法令ガイド」は、一般向けに、法令・関連リンク等を充実させたものです。
4.情報収集・交換
個々の法令等に関する学会、研究会は数多くありますが、対象とする法令の領域が限定されており、ライフサイエンス分野の法令全般を広く対象とする集まりはありませんでした。そこで、それならば作ってみようと、企業、大学にお声がけをしたところ賛同が得られ、「ライフサイエンス・コンプライアンス研究会(ReCoLiC)」が設立されました。
現在、企業、大学から多くの会員が集まり、講演会・意見交換会等の活動を行なっており、情報収集/情報交換にとても有意義だと好評をいただいています。ご興味のある方は、ReCoLiCホームページ ※2 を御覧ください。入会受付中です。
※1 Facilitation by Building a Flexible Network for Research Optimization: Challenge of Strengthening Life Science Research Compliance (しなやかにつなぎ先導する :ライフサイエンス研究のコンプライアンス強化への挑戦)p-30-32、NCURA Magazine, March/April 2017:https://www.ncura.edu/Portals/0/Docs/Magazine/2017/NCURAMagazine_MarchApril2017.pdf
※2 ReCoLiC-HP:https://recolic.jimdofree.com/
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