「ライフサイエンス法令の対象物の大きさの比較」で、化学物質は化学構造(CAS番号が対応)で一義的に対象物が定まるのに対して、ライフサイエンス分野は対象物の範囲が多様であり、管理が難しいという話をしました。
各々の分野の主な対象物は、「化学物質」、「生物」 です。
「化学物質」の定義は、化審法、労働安全衛生法では、以下のようになっています。
■化審法※1(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律):
元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。
■労働安全衛生法※2:
元素及び化合物をいう。
天然物は、化審法では対象とならないが、安衛法では天然に産出される化学物質を精製する場合には対象となる。
一方、「生物」の定義ですが、カルタヘナ法では以下のようになっています。
■カルタヘナ法※3(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律):
一の細胞(細胞群を構成しているものを除く。)又は細胞群であって核酸を移転し又は複製する能力を有するものとして主務省令で定めるもの、ウイルス及びウイロイドをいう。
ウイルスのように、生物かそうでないか議論があるものもあり、生物の定義は法令毎に十分に確認する必要があります。
また、ライフサイエンス分野の対象は、遺伝子、細菌、病原体等多くのものがあり、対象物一つとっても化学物質の分野よりも多様であるといえます。
対象物をうまく整理する方法があれば、ライフサイエンス分野の管理も容易になると考えられます。なにかうまい方法があるといいのですが、なかなか難しいです。
※1 e-GOV「化審法」:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=348AC0000000117
※2 e-GOV「労働安全衛生法」:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=347AC0000000057
※3 e-GOV「カルタヘナ法」:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC0000000097
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