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化学

大相撲と塩

今週は、大相撲の貴乃花親方の引退(退職)がテレビなどでさわがれています。

貴ノ岩への元日馬富士の暴行事件に始まった一連の事件は、思いもよらない残念な結果となりました。
これらに対する考えは、人それぞれだと思いますが、なんともいえない感じですね。

どろどろした話題はそうそうに切り上げ、今回は、大相撲とライフサイエンスの関係を考えてみます。

一つは、力士の平均寿命は短いらしいということがあります。貴乃花のおとうさんの初代貴ノ花は55歳で亡くなり、元横綱の千代の富士は61歳で亡くなりました。きちんとした疫学ではなく科学的ではないかもしれませんが、まあそうなんだろうなと思っています。

興行日数の多さによる体の酷使、ストレス、生活習慣(たくさん食べて、すぐに寝る)など、いずれも体にいいはずがなく、それらが寿命を縮めている可能性があります。スポーツもトップレベルになると、健康のためにやっているわけではないので、いろいろ弊害がありそうです。

さて、大相撲関係でもう一つ、力士が土俵でまく塩について話をします。テレビの大相撲中継をみると、結構、大量の塩がまかれています。これは、安全を祈願する意味や、取り組みで擦り傷を負った場合の消毒用などの意味があるようです。
ここでは、塩の安全性について、少し考えてみます。

化学物質の毒性等の無料のデータベース※1で、塩(塩化ナトリウム、NaCl、CAS-N0: 7647-14-5 )を検索すると、推定致死量は約0.75〜3.00g / kg※2となっています。これは、体重1kgあたりの量なので、例えば、体重50kgの人だと150gの塩を一気に食べたりすると、死に至る可能性(半分の人が死ぬかもしれない)があるということを示しています。まあ、普通、一度にこんなに大量に塩を食べる人はいないでしょうから、問題になることはありませんが・・・

健康食品と健康」でも紹介した、16世紀のスイスの医師、錬金術師であり毒性学の父と呼ばれるパラケルススの言葉、「すべての物質は毒である。毒でないものなど存在しない。摂取量によって毒であるか、そうでないかが決まる」のとおりです。

※1 HSDB:https://toxnet.nlm.nih.gov/cgi-bin/sis/htmlgen?HSDB
※2 HSDB: SODIUM CHLORIDE  https://toxnet.nlm.nih.gov/cgi-bin/sis/search2/f?./temp/~FLNqXF:2

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