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倫理

動物倫理

投稿日:2018年9月19日 更新日:

ライフサイエンス研究においては、動物実験は、科学上の利用のために必須な場合には、動物倫理の観点で適正な管理のもとに行うことが認められています。今回は、動物倫理に関して取り上げます。

動物の愛護及び管理に関する法律

動物倫理の基本となる「動物の愛護及び管理に関する法律」※1 は、「人と動物の共生する社会の実現を図る」ことを目的とし、動物の愛護に関しては、「動物の虐待や遺棄の防止」「動物の適正な取扱い」「動物の安全や健康の保持」、動物の管理に関しては、「動物による危害の防止」「生活環境保全上の支障の防止」「人への迷惑の防止」等 が定められています。
また、科学的目的のために研究施設などで飼われている実験動物※2については、適正に動物を取り扱うためのガイドライン「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」※3 が定められています。

※1 :環境省HP「動物の愛護及び管理に関する法律あらまし平成24年改正版」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/1903/pdf/full.pdf
※2 :教育、 試験研究又は生物学的製剤の製造など、 科学上の利用に供するために、 研究施設等で飼養されている動物
※3 :実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(環境省告示)http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_h25_84.pdf
実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2911.html

■関連する法律・指針
関連する法律・指針を以下にまとめました。これらをもとに、動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(日本学術会議)」( http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-k16-2.pdf  ) が示されており、動物実験を行う機関では、機関内規定を設けて動物実験を管理しています。

【動物実験の適正な実施】
研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(文部科学省告示)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/06060904.htm
厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/doubutujikkenn.pdf
農林水産省の所管する研究機関における動物実験等の実施に関する基本指針(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/tuti/t0000775.html

【実験動物の適正な飼養・保管】
動物の愛護及び管理に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S48/S48HO105.html

実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(環境省告示)http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_h25_84.pdf

3Rsの原則

動物を科学上の利用に供することは、科学の進展や技術開発のために必要不可欠ですが、動物が命あるものであることを考え、動物の生理、生態、習性 などに配慮して感謝の念をもって適切に取り扱うように努めなくてはなりません。
また、科学上の利用にあたっては、
・できる限り動物を使わない方法にすること(代替法の活用=Replacement)
・できる限り利用される動物の数を少なくすること(使用数の削減=Reduction)
・できる限り動物に苦痛を与えない方法で行うこと(苦痛の軽減=Refinement)
とされています(ボローニャー宣言:3Rsの原則)

なお、前述したように、動物実験の実施に関する基本指針、ガイドラインは、動物実験の適正化を図る観点で、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、日本学術会議 によって策定されています。

■動物実験処置の苦痛分類
北米の科学者の集まりであるSCAW(Scientists Center for Animal Welfare )作成の苦痛分類が広く知られ※4、利用されています。

※4:国立大学法人動物実験施設協議会「動物実験処置の苦痛分類に関する解説
http://www.kokudoukyou.org/index.php?page=siryou_index#p2

分類 内容
A 生物個体を用いない実験あるいは植物,細菌,原虫,又は無脊椎動物を用いた実験
B 脊椎動物を用いた研究で,動物に対してほとんど,あるいはまったく不快感を与えないと思われる実験操作
C 脊椎動物を用いた実験で,動物に対して軽微なストレスあるいは痛み(短時間持続する痛み)を伴う実験
D 脊椎動物を用いた実験で,避けることのできない重度のストレスや痛みを伴う実験
E 麻酔していない意識のある動物を用いて,動物が耐えることのできる最大の痛み,あるいはそれ以上の痛みを与えるような処置

動物実験委員会

動物実験に際しては、研究機関等における動物実験の実施に関する基本指針(文科省)」や関連情報※5に従い、
①機関内規程の策定
②動物実験計画の承認
③動物実験計画の実施結果の把握
④動物実験委員会の設置
⑤教育訓練の実施
⑥自己点検・評価
⑦情報公開 等
が必要であり、動物実験を行う組織は「動物実験委員会」を設置して対応しています。

※5: 国立大学法人動物実験施設協議会「基本指針への具体的対応と参考資料
http://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n911_01.pdf

まとめ

動物倫理についてまとめると、動物を科学上の利用に供することは、科学の進展や技術開発のために必要不可欠ですが、動物が命あるものであることを考え、動物の生理、生態、習性 などに配慮して感謝の念をもって適切に取り扱うように努めなくてはなりません。
また、科学上の利用にあたっては、
・できる限り動物を使わない方法にすること(代替法の活用=Replacement)
・できる限り利用される動物の数を少なくすること(使用数の削減=Reduction)
・できる限り動物に苦痛を与えない方法で行うこと(苦痛の軽減=Refinement)
とされています。(動物実験の3Rs)

特に、化粧品分野では、動物愛護の観点で、国際的に動物実験禁止の動きもあり、日本では、ほとんど動物実験は行われていないと思われます。今後も、動物実験代替法の利用等の進展が期待されます。

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