企業や大学では、さまざまな法令に組織として対応し、法令を遵守して、事業活動や教育・研究活動を行っています。そこで、組織としての法令等(広く社会課題含む)への対応について、特に、「生物/化学分野」「産と学」の視点で話をします。
法令等の理解の重要性
産と学の共同による「研究成果→社会実装→社会貢献」の迅速・円滑な推進のためには、研究内容そのものに加えて、関連する法令等への対応の相互理解も重要です。
生物/化学分野の法令等の背景
法令等の背景として、国際的な持続可能な開発に関する目標や倫理に関する宣言などがあります。
これらに対して、企業や大学等の組織は、CSR活動や適正な研究活動により社会的責任を果たしています。
科学技術分野の法令等
科学分野の法規制の生物/化学/機器分野の具体例を挙げます。その規制の目的(根拠)は主に「安全」です。生物分野は「倫理」も重要な根拠になっています。なお、化学分野でも、化学物質の安全性評価の際は動物倫理が関連します。
研究倫理(研究公正含む)の全体像
研究公正を含む研究倫理の全体像を示します。これらは特に生物・医学分野で重要です。
組織での管理
組織での管理について、例えば、企業では組織の形態にかかわらず、本社部門で、全社方針・規則等を定め、権限・役割を明確にすることが重要です。これらの規則を運用するために、例えば、ISOの仕組みを利用してもよいのですが、形骸化に注意が必要です。
法令等への対応は、一般的に、企業では研究開発、製品化、実用化の全ての段階で対応が必要です。リスクに応じたメリハリある対応や管理システム(ソフト)の有効活用により効率よく管理し、また、風評(レピュテーションリスク)やブランディングを意識した対応をすることもあります。 一方、大学は、研究開発段階の法令等に対応すればよいのですが、企業との共同を円滑に進めるためには、企業の対応方針の理解が必要となります。