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ライフサイエンス

タンパク質の解析によるヘルスケアサービス

遺伝情報は、DNAからRNAを介して翻訳されタンパク質になることは、セントラルドグマとして知られています。
タンパク質は、たくさんのアミノ酸が結合した高分子化合物であり、糖質、脂質とあわせて三大栄養素としても有名です。人の体内には数万種のタンパク質があり、体のなかの筋肉、骨、臓器、血液、酵素などをつくるもととなっています。

遺伝子は病気や健康と深く関係しており、希望する個人の遺伝子を解析し最適な病気予防策を提案する「遺伝子検査サービス」には多くの企業が参入し、市場が広がってきています。同様に、タンパク質のビッグデータのAIなどによる解析から、病気や健康に関する情報を提供する「タンパク質解析サービス」の提供も始まりつつあります。

■タンパク質の定量方法
タンパク質の定量方法は、全てのタンパク質の総量を求める方法特定の単一のタンパク質の量を求める方法に大別できます。タンパク質解析サービスにおいては、特定のタンパク質の分析が必要になります。
個々の測定法の詳細はWEBや生物の教科書に書かれているので、ここでは説明しませんが、定量感度は、色素の生成などを指標として光吸収を測定する方法に比べて、蛍光色素の蛍光を測定する方法の方が基本的には高くなります。これは、タンパク質に限らず、他の物質の定量においても同様であり、分析法全般に共通することです。また、質量分析法も高感度な測定法であり、例えば、分離技術と組み合わせたLC-MS/MSは、化学物質の高感度測定法として知られています。

【総量】紫外吸収法、BCA法(ビシンコニン酸法)、ブラッドフォード法、ローリー法、ビューレット法、など
【特定】ELISA法(酵素結合免疫吸着測定法)、ウエスタンブロット解析、質量分析法、など

■タンパク質解析サービス
タンパク質解析サービスのためには、さまざまなタンパク質の分析技術の利用が可能ですが、特定のたんぱく質をいかに低コストで簡便に測定できるかが、サービスを普及させるためのポイントになると思われます。
2020年7月9日に、NECソリューションイノベータから、「フォーネスライフ株式会社」を設立し、「SomaLogic社」 との協業を開始することがプレスリリースされました※1フォーネスライフは、SomaLogicが保有する血中タンパク質の解析技術と、NECグループが保有するAI・解析技術を組み合わせることで、現在および将来の健康状態、疾病リスクをわかりやすく可視化するとのことです。ここで使われるSomaLogicのタンパク質測定法は、同社独自のタンパク質結合試薬を用いて、タンパク質標的への強固で特異的な結合を可能にしています※2
今後、タンパク質の解析によるヘルスケアサービスが普及することが期待されます。

*1:https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/press/20200709/index.html
*2:https://somalogic.com/technology/our-platform/

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