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オープンサイエンスにおけるデータの取扱いについて

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オープンサイエンスとは、専門家や非専門家を問わず、あらゆる人が学術的な情報やその他の情報にアクセスしたり、研究活動に参加したりできるようにする運動のことをいいます。オープンサイエンスにおいては、オープンアクセスの推進など科学的な知をよりオープンにし、社会に伝えることが重要になります。

データ取扱いに関連するルールなど:日本学術会議の提言

日本学術会議の「オープンサイエンスの深化と推進に関する検討委員会」において、これからの科学の作法をも変えうるオープンサイエンスを、各研究分野におけるデータ駆動科学の現状も加味した総合的な視点でとらえ、研究データ共有の促進と共有のためのプラットフォームの重要性を明らかにすることを目的として審議が進められ、3つの提言が出されています※1。以下にポイントをまとめましたが、データ(試料・資料を含む)取扱いのルール、プラットフォーム、および保存に関するものとなっています。

【3つの提言(ポイントまとめ)】
(1)データが中心的役割を果たす時代のルール作りの必要性:政府は、不正競争防止法、個人情報保護法、著作権法等のデータに関連する法規制を集約・整理し、データを安心して活用できるルールを、国際的なコンセンサスを得ながら明確化する必要がある。
(2)データプラットフォームの構築・普及の必要性:データ散逸を防ぐために誰でも容易に利用できるプラットフォームが必須である。
(3)第1次試料・資料の永久保存の必要性:研究成果を直接もたらした第1次試料(岩石、堆積物、土壌、流体、生物、物質、遺構、遺物など)の永久保存体制の構築および第1次資料(文書記録、書籍、景観、技術、生活様式、生産様式など)の維持保存体制を強化する必要がある。

※1: 提言 オープンサイエンスの深化と推進に向けてー令和2年(2020年)5月28日 日本学術会議 オープンサイエンスの深化と推進に関する検討委員会、http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t291-1.pdf

データ取扱いに関連する法令など

近年、オープンサイエンスの流れのなかで、生体などから収集した大量のデータをAI等で学習・分析することで新たな知見を生み出し、新規ビジネスを創出する動きが活発であり、データの利活用の必要性が増しています。
これらを円滑に進めるためには、データの種類に応じて多種多様な法令やガイドラインなどに従う必要があります。特に、医療や生命分野のデータについては、多くの場合、個人情報を含むため、法令により保護と活用の両面から取扱いが定められています。具体的には、改正個人情報保護法が 2017 年 5 月に全面的に施行され、医療・生命分野の法令(倫理指針含む)もこれに合わせて改正され、さらに、医療情報の利用促進を目的に、次世代医療基盤法が 2018 年 5 月に施行されています。詳細は、「大学や研究機関で生まれるデータとその利活用ルールを巡る動き」※2 や本サイトの記事「医療情報ービッグデータの活用」にまとめられています。

※2: 小林和人、日置孝徳「大学や研究機関で生まれるデータとその利活用ルールを巡る動き」、パテント、Vol.73、No.5、33-41頁(2020)、https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3540

おわりに

今後、日本学術会議の提言にある、データの取扱いに関連するルールの策定などが進み、オープンサイエンスも進展するものと思われます。これにより、既にビッグデータとAIの活用が進んでいる欧米と同様に、新規なビジネスやサービスが生まれてくることを期待しています。

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