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メディカルサイエンス

MRI

病院では、様々な検査が行われますが、今回は、代表的な画像診断装置の「MRI」 を取り上げます。

「MRI」は核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging)の略であり、ごく簡単にいうと磁気と電波を利用して、体内の情報を画像にする方法のことです。より具体的には、体内の水分などに由来する水素原子などを画像化しています。
「MRI」では強力な磁場が発生するので、金属を持ち込むことはご法度です。ボールペンでも金属部分があれば、装置に跳び込むため大変危険です。ネットで「MRI」「金属」をかけ合わせて検索した動画を見ると、その危険性が実感できるので、是非、一度御覧ください。
なお、「MRI」を使った臨床研究の際には、人を対象とする医学系研究の際に必要な倫理審査に加え、「MRI」の安全審査などが必要なことがあります。

さて、「MRI」と同様に核磁気共鳴を測定原理とする、核磁気共鳴分光法(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy)(略して「NMR」)は、理科系、特に化学系の研究者にはなじみが深いものです。
「NMR」は化学物質の分子構造などを調べる方法であり、有機化合物の水素原子を対象に測定することが多いです。高校の化学の試験では、構造未知の化学物質に関して、「元素の質量%」とともに、「硝酸銀を加えると金属が析出した」等の反応に関する情報を示して、分子構造決定を求める問題がよく出されます。
実際、半世紀程前は、研究においても、そのような方法で、時間をかけて苦労して分子構造を決定していましたが、それ以降、「NMR」等の機器による分析手法の進歩により、分子構造決定は短時間に手軽にできるようになり、高校の試験のような方法を用いることはほとんどなくなりました。そのため、研究者でも高校の試験には、案外、手こずるのではないかと思います。

今回、核磁気共鳴という原理を用いた代表的な応用例である「MRI」と「NMR」を紹介しましたが、核磁気共鳴を原理とした応用は、病院での画像診断、化学分野での分子構造決定という幅広い分野に広がっており、今後も、新しい分野への応用が進展することが期待されます。

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