花粉症の季節がやってきました。花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となり、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気ですが、多くの日本人がかかっており、これから、マスクをつける人が増えてくると思われます。
花粉症にかかっている人の体内には、花粉に対する抗体がたくさん作られていて、そこに花粉が入ることで抗原抗体反応が起きます。すると肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンという物質が放出され、鼻や眼などの神経が刺激されることで、くしゃみ・鼻水などの症状が出てきます。
花粉症の薬ですが、抗アレルギー成分を使用した内服・点眼・点鼻薬が知られています。抗アレルギー成分としては、フェキソフェナジンやロラタジンなど多くのものが知られています。
もちろん、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぐのも効果的です。
本ブログでは、今まで、「インフルエンザ診断キット」でイムノクロマトグラフィー法が抗原抗体反応を用いているという話をしました。また、「ノーベル生理学・医学賞を本庶佑特別教授が受賞」で受賞理由が免疫の新しい仕組みの解明とがん治療への応用であるという話をしましたが、T細胞表面での発現が増強されるPD-1という分子に対する抗体(抗PD-1抗体)が治療薬となっています。
このように、ライフサイエンスの分野では、抗原や抗体という言葉は頻繁に出てきます。
抗原抗体反応自体は体の中で必要な反応ですし、これらを利用した治療薬や診断法などもたくさんあり、なくてはならないものです。花粉症の場合は、少し反応が過剰に出てしまったということです。バランスが重要と言うことですね。
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