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医薬品

動物用医薬品に関連する法令など

医薬品に関連する法令など」で、医薬品の定義と分類、関連する法令、審査関連、安全、特許などについて話をしました。今回は、ペットなどの動物用の医薬品を取り上げます

定義

医薬品は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」※1(医薬品医療機器等法 or 薬機法 と略される。)第2条第1項で定義されています。
そして、この法律の第83条において、専ら動物のために使用することが目的とされる医薬品(動物用医薬品)に関しては、「厚生労働大臣」とあるのは「農林水産大臣」と、「厚生労働省令」とあるのは「農林水産省令」と読み替えることとされており、これらに従い、農林水産省は動物用医薬品に関する事務を所管しています※2。(なお、厚生労働省は、人用医薬品に関する事務を所管しています。)
※1: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000145
※2: 動物医薬品検査所ホーム>広報資料「日本における動物用医薬品の規制制度の概要 」  http://www.maff.go.jp/nval/kouhou/pdf/20151008yakujigaiyou.pdf
※3: 動物用医薬品等取締規則 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=416M60000200107_20180921_430M60000200062&openerCode=1

開発から製造・販売まで

動物用医薬品の開発から製造・販売までの流れについては、「日本動物用医薬品協会」HPに詳細が記載※4 されており参考になります。新薬を製造・販売する為には、国からの承認が必要となり、薬事・食品衛生審議会で審議され、動物用医薬品承認の基準に照らし問題がないと認められたものだけが承認されます。開発者あるいは申請者は、審議に必要な資料を、農林水産大臣の定めるGLP 省令及びGCP省令※5 に従って収集、作成する必要があります。なお、特徴的なのは、申請された品目が畜水産物に残留した場合に問題が生じる恐れのある場合は、厚生労働省においても残留に関する事項について審議が行われ、また、人の健康への影響についても、内閣府の食品安全委員会で評価されることです。
承認を受ける新薬は、同時に製造所(工場)についても国から許可等を得なければならず、国からの承認・許可等の後に、製造・販売する事が可能となります。

※4:  公益社団法人 日本動物用医薬品協会HP 「人と健康と動物用医薬品等」http://jvpa.jp/jvpa/?cat=5
※5: GLP: 動物用医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準 GCP: 動物用医薬品の臨床試験の実施の基準

主成分、効能効果、副作用情報等

動物用医薬品等の「主成分、効能効果、用法用量、使用上の注意等の情報」は、動物医薬品検査所ホームページ内の「動物用医薬品等データベース」に、「副作用情報(発現動物、発現の概要、転帰等)」は、同ホームページ内の「副作用情報データベース」に掲載※6されており参考にすることができます。例えば、共立製薬株式会社から「犬用の抗生物質・抗菌剤」として販売されている「アモキクリア錠100」で検索すると、主成分はアモキシシリン水和物、効能効果は有効菌種:ブドウ球菌(適応症 イヌ・ネコ:細菌性皮膚感染症 )、副作用情報は0件 などの情報を得ることができます。
※6: ・農林水産省ホーム> 消費・安全> 動物用医薬品 http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/index.html
・動物医薬品検査所ホーム http://www.maff.go.jp/nval/

おわりに

人用の医薬品に比べて、動物用医薬品は臨床試験において少ない症例ですみ、開発期間や開発経費を少なくできますが、国内の動物医薬品の市場規模は1000億円程度と人用医薬品の約1/100です。開発においては、これらを考慮して進める必要があります。

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